2009年に多治見市で、岐阜県初の森のようちえんとして開園した『自然育児 森のわらべ多治見園』 (以下「森のわらべ」)は、里山や公園などの森林空間をフィールドに、子どもの育ち、親の育ちに 関わり、自然環境を通して“人づくり”に特化した活動を行ってきました。

これまでの取り組みで得たノウハウと人材を活かし、人と森との関係をさらに深めた、“母と森がつながり、母も森も輝く森づくり”として2025年『Haha-moriプロジェクト』を発足させることとしました。

森のわらべは、日々のメディアからの報道、国や自治体の発表する白書等の情報、これまでの実践を通じて、特に以下の問題意識を持ち活動しております。

■母の在り方が子どもたちの健やかな育ちに大きく影響していること。
■母親の子育てに対する不安感・孤立感は年々増す傾向にあること。
■日本の子どもたちを取り巻く状況はいっそうの厳しさを増していること。
■SDGs【持続可能な開発目標】が世界の共通計画としてある中、国土の7割が森林である日本において森林空間の利活用には大きな課題解決の可能性があること。

そこで、本プロジェクトを通じて、母親であることに誇りと喜びを持てるような森暮らしの実現と、日本の森林の利活用が推進されることを目的に、母が森に出逢える場を創り、母たちによる森づくりを通して「森」も「母親」も、輝き活かされていく事業を展開いたします。

2024年4月 飛騨市で行われたイベントで初めて出逢った「株式会社飛騨の森でクマは踊る」(通称ヒダクマ)の松本剛代表。
このときにお聴きした飛騨市での広葉樹の森の利活用について、ヒダクマさんの取り組みに大変な感銘を受けた森のわらべ園長・浅井智子。
人工林として真っすぐに上へ上へと育て、家具材や建築材として同じように大量に製材して流通に乗せるスギやヒノキの針葉樹と違って、広葉樹は樹種も様々。樹形も様々。林業事業家として広葉樹を大量に流通に乗せるには困難が伴い、多くは砕かれてチップに・・・。

しかし、土地の93%は森林で、その約7割以上が広葉樹。何とかこの広葉樹をより利活用できないか、という飛騨市とヒダクマさんの取り組みには様々な工夫が凝らされています。
樹種も樹形も異なる一本一本と向き合い、その木の持ち味をどのように引き出し、どのようにデザインして何に仕上げていくのか・・・。

その広葉樹を活かしたモノの作られ方に、まさに森のわらべで大事にしている子育ての在り方と通じるものを感じた浅井。
大勢の子どもたちを一斉に、同じカリキュラムで、同じスピードで、同じ内容で推し進める保育、教育ではなく、子どもひとりひとりにカスタマイズした探求的体験体験をもとに ひとりひとりの持ち味が大切にされた森のわらべの保育、教育。
広葉樹の森の活かされ方や育ち方を、母親や、保育者・教育者たちが学ぶことで、子育て、保育・教育はより深まっていくはず!
その発見が、Haha-moriプロジェクトの原点に。

広葉樹の森は幸せな親子を育む。

そんな思いを胸に、2025年よりまずは飛騨と多治見の森で母親たちが森づくりに携わる機会をスタートしていきます。

飛騨地域において以下の事業を企画計画中

飛騨地域の様々な方々にご協力いただいています

■飛騨の森暮らし体験~haha組HIDA~(仮)

 …飛騨の広葉樹の森で、母親たちが森づくりや森仕事に携わることで、森の恵みを暮らしや子育てに取り入れる楽しみや豊かさを存分に味わうワークショップ。

■森から学ぶ子育て講座in HIDA(仮)

 …飛騨の広葉樹の森を活用し、森づくりが人づくりにつながる連続講座を、ヒダクマ・松本代表と、森のわらべ園長・浅井智子によるコラボレーション企画で開催予定。

岡田善徳さん

松本剛さん
(株)飛騨の森でクマは踊る代表

「多治見の森暮らし体験~haha組 TAJIMI~」も開講予定―お楽しみに♪

*Haha-mori事業に関する最新ニュースは、トップページのお知らせ欄をご参照ください。

森のわらべは2025年春現在、自前の森を持っていません。
ですが、全国の提携施設などのお陰で動物たちとの里山暮らし、森暮らしを体験する機会があります。
人間同士のコミュニケーションで疲れてしまいがちな子どもたちや、自身の育ちの上で自己肯定感の育みに課題を抱えた大人たちが、動物との暮らしを通して本来のその人の持ち味が発揮される場面をいくつも見てきました。

森と人が出逢う里山では、生態系に多様性がもたらされ、林産物を人々の暮らしに活かしていく場において、循環を促進しているのが動物たちの存在です。
いつか、森のわらべの地元、岐阜県多治見市のフィールドにおいても、動物たちの命の輝きを間近に感じながら、自らの命も輝かす暮らしが実現できることを願っています。

多治見に自前の森を持ちたい!!!!
情報お待ちしています。

【感謝!】「森のわらべキコリ部」による多治見の森づくり活動には、代表・三原宏之さん率いる「たきろ里山クラブ」のみなさんのご協力をいただいています。ありがとうございます。